寝る前のスマホはNGじゃない?|睡眠の新常識 #1
「スマホは寝る前に触ってはダメ」「ゴールデンタイムに寝ると美肌回復効果」など睡眠に関する豆知識は世の中にたくさんあります。しかし、その中には間違った情報も。
睡眠についての研究は日々行われていて、まだまだ新しい事実が発見されています。
そのため、少し前まで睡眠に良いとされていたことが実はそうでもなかった、ということがあるようです。
今回はよく聞く睡眠の豆知識について改めて調べてみました!
■寝る前にスマホを触るのはNG?
→答えは「△」コンテンツを選ぶのが重要!
スマホの画面が明るいので脳が起きてしまう、などと言われていますよね。画面からの光が良くないのは確かなのですが、最も気をつけるべきなのはスマホで見る「コンテンツ」なんだとか。
睡眠学者の柳沢正史氏によると、SNSやショート動画など「興味が途絶えなかったり、誰かにコメントをしたりするインタラクティブな状況」になるコンテンツは脳を刺激するため、眠くならないのだそう。
反対にテレビや映画など一方的に受け取るコンテンツであればOK。リラックスできる動画や、かわいい動物の写真を見たりすると、むしろ睡眠を助ける場合もあるそうです。光に注意して、暗めの画面で見るのが良さそうですね。
■睡眠のシンデレラタイム 22時〜2時に寝るべき?
→答えは「✕」シンデレラタイムは必ずしも22時〜2時じゃない!寝ている間、わたしたちの体では肌のターンオーバーを助け、疲労回復につながる効果が期待される「成長ホルモン」が分泌されます。そして、22時〜2時はこの成長ホルモンの分泌が増える「シンデレラタイム」として紹介されています。聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
しかし、実はこれが間違いだといいます。
成長ホルモンの分泌が増える真の「シンデレラタイム」は、入眠後最初にあらわれる深いノンレム睡眠の間。特定の時刻ではありません。寝る時間によって人それぞれシンデレラタイムが異なるということですね。
仕事や学校、家事などで22時に寝るのは無理…という方も、一番深い眠りである最初のノンレム睡眠を確保することが大事です。
■睡眠は90分ごとに切り替わる?
→答えは「✕」90分はあくまで平均値!睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、寝ている間にこの2つの状態を行き来しています。
レム睡眠はまぶたの下で眼球が動いている状態の睡眠。夢を見るのはレム睡眠の間です。
ノンレム睡眠はレム睡眠よりも深い眠り。深さによってN1からN3までの3段階に分けられます。
人が眠りに落ちると、20~30分後に最も深いN3が現れ、そこから徐々に眠りが浅くなっていき、60~70分後にレム睡眠が始まります。レム睡眠が10~30分持続した後、再びノンレム睡眠へと向かっていきます。このノンレム睡眠から次のノンレム睡眠までのサイクルが、平均して90分程度になるのです。
しかし青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹氏によると、90分というのはあくまで平均値。個人差があるのはもちろん、同じ人でも疲労度や寝不足具合によって変わってくるのだそう。そのため、90分の倍数になる3時間や4時間半の睡眠だと起きやすいというのも間違った情報だといいます。
睡眠について調べていると、とにかく「個人差」という言葉がよく出てきます。
一人ひとり睡眠の深さや時間、環境が異なるので、人と比べすぎずに自分の状況に向き合って知ることが大事なんですね。
今回はよく聞く「睡眠の常識」を調べてみました。
日本人は世界基準で見ると圧倒的に睡眠不足と言われています。良い睡眠は健康にはもちろんよいですし、仕事や勉強のパフォーマンスもあげてくれます。
睡眠について正しい情報を得て、時間・質ともに良い眠りを意識してみませんか?